4月:『神は愛です。』(ヨハネの手紙Ⅰ 4:16)

 チャプレンの藤原健久です。チャプレンとは「施設付き牧師」のことです。学校や病院等の施設で宗教活動を行う牧師を指します。私は、幼稚園の礼拝や宗教教育全般に携わっています。どうぞよろしくお願いします。

 生活表では毎月、その月の主題聖句を解説しています。今月は年度初めですので、年主題聖句と共に解説いたします。

 「平和」、私たちの世界で最も大切なものです。聖書では「シャローム」と言います。これは「みんなが幸せな状態」を指します。誰1人もれることなく全員が幸せな状態です。平和の実現のためには、一人ひとりを大切にすることから始めなければなりません。一人ひとりの幸せを積み上げながら作り上げていくのが、平和です。

 「愛」は、聖書で「アガペー」と言います。これは、神様が人を愛する愛を指します。神様は創造主、すべての物を創られた方です。神様は、創られたものを全て慈しみ、大切にされています。神様は、私たち一人ひとりに対して、その人にとって最も良い仕方で愛してくださいます。

 連日、世界では悲惨な暴力事件が起こり、多くの人々が傷ついています。この現実を前に、私たちは無力さを覚えます。けれども聖書では、平和は必ず実現すると約束しています。私たちが目の前の人を大切にし、やっさしい心を持ち、共に生きていく道を探し求めるとき、世界は平和の実現に向けて進み出します。愛こそが平和を作り出すのです。

 この愛こそ、私たちの保育の中心です。一人ひとりの子供を大切にし、この子にとって最も良い保育は何かを模索し、共に歩んでいこうとしています。先生も子供も、同じ「神様から愛されている子供」として、共にお祈りし、共に平和を求めてゆく、それが私たちの歩みです。

 新しい学年が始まりました。これからどんな出会いがあるのかワクワクしています。みんな共に、平和に向かって歩んでいきたいと思います。