5月:『見えないものに目を注ぎます。』(コリントの信徒への手紙Ⅱ4:18)

 牧師という仕事柄、信徒の方の最後の場面に立ち会わせていただく事がしばしばあります。ご病気で苦しいでしょうに、ご自分の体の事だけでなく、他人のことを気遣ってくださる方が多いです。時にはご自分の苦しみを脇に置いて、お医者さんや看護師さんに感謝の言葉を掛け、ご家族のことを心配し、私のような者にも気遣いの言葉掛けをしてくださいます。病床で、色んなお話をさせていただきます。その会話の中で、私はその方の信仰に触れさせていただきます。お心の中に、不安や死への恐怖、また後悔や悔しさもおありだろうと思います。けれどもどの方も、最後は、「神様にお委ねする」「み心にお任せする」と仰います。そのお顔には、自分の道を歩き抜くという力強さと、そして最後まで変わらない優しい笑顔があります。

 信仰とは、言うまでもなく、目には見えない生き方を選び取ることであるように思います。お金を得る、地位を得る、それらはこの地上での成果が目に見えやすい生き方であると思います。けれども、人に優しくする、希望を持つ、正しいことを貫く、などの生き方は、成果が目にはみえにくいものです。目には見えにくいけれども、最も大切な生き方をするようにと、勧め、励ますのが、信仰であるように思います。

 こどもたちの周りには、目には見えないものがいっぱいあります。お友達が大好き、一緒に遊んで楽しい、と言う思い。色んな経験を経て心が大きくなったこと。そして何よりも、みんなから、神様から、愛されていること。目には見えないけれども、とても大切なものを一杯経験して、大きく成長して欲しいと思います。