6月:神の国と神の義をもとめなさい。(マタイによる福音書6:33)

 6月は梅雨の時期、植物にとっては「恵みの雨」です。豊かな潤いで大きく成長する植物を見て、私達は、神様が創られる自然の豊かさ、美しさをたっぷりと味わいます。今月の聖書の箇所には、次のような言葉が含まれています。「空の鳥をみなさし・・・野の花を・・・注意して見なさい。」イエス様は私達の目を、小さな生き物の美しさへと向けさせます。そして、私達に、自分たちが神様からあいされていることの有り難さ、恵みを教えてくださるのです。

 また同じ箇所に次のような言葉も記されています。「明日のことまで思い悩むな。・・・その日の苦労は、その日だけで十分である。」

 イエス様は私達に、私達が神様から愛されるほどの価値ある者であること、また神様がいつも私達を見守ってくださっていることを教えてくださいます。

 「神の義」これはつまり、「正義」の事です。私達にとって「正義」は比較的身近な言葉です。テレビや映画には、たくさんの「正義の味方」が活躍しています。正義の味方は、悪を倒します。けれども実は、それは二義的なことなのです。「正義」には、悪を倒すよりも大切なことがあるのです。それは、苦しむ者の尊厳の回復と悩む者の支えです。周囲の人々の評価や、社会の「常識」がどうであり、自分が正しいと思う道を、胸を張って歩いてゆくことが「正義」なのです。「正義の味方」は、そのような歩みを守る人々のことです。

 神様の「正義」は、裁きではなく愛です。深まるほどに、相手への理解と支えが進んでゆくのが、本当の正義だろうと思います。