9月:求めなさい。そうすれば、与えられる。(マタイによる福音書7:7)

 聖書の言葉の中で、最も有名なものの一つでしょう。「求めよ。さらば与えられん。」明治期の人々は、この言葉に新しい時代の光を感じたことでしょう。日本で大切にされてきた価値観のひとつは、「役目を全うする」とうものだと思います。自分の「しなければならないこと」を行い、「責任を果たす」ことを、私達の社会は大切にしてきました。それはそれでとても尊いものですが、けれども、個人としての希望も大切です。この聖書の言葉は、神様が私たち一人ひとりの願い求めることに、しっかりと耳を傾けてくださり、それを叶えてくださるという、約束の言葉です。有り難い言葉です。

 では、次に課題になるのは、「何を願い求めるか」です。私達の願いはいっぱいあります。食べ物の好き嫌いから、世界平和まで、様々なことを願い求めます。神様は、何でもかんでも叶えてくださるわけではありません。私たちが心の底から願い求めることを叶えてくださるのです。私達が、心を込めて、真剣に、全身全霊を傾けて、神様に祈り求めるのは、何でしょう。

 それはきっと、自分ではない誰かの幸せだと思います。私達は、自分の欲望よりも、誰かが幸せになることを、より強く求めるものなのだと思います。「火事場の馬鹿力」は、誰かを助ける時に発揮されるものなのです。

 イエス様はいつも、誰かの幸せのために祈り、奉仕されました。イエス様の十字架は、自分の全てを失ってでも、人類を救いたいという思いの現れです。神様は私達を、愛する者として創ってくださいました。私達が会いの心で願い求めるものを、神様は必ず叶えてくださいます。