2月:『愛は、すべてを完成させるきずなです。』(コロサイの信徒への手紙3:14)

 キリスト教倫理で最も大切にされるのは、愛です。目の前の一人ひとりを大切にし、自分の幸せだけでなく人の幸せのために奉仕していく生き方が大切です。愛と同じように大切にされるものとして、正義があります。悪いことを見逃さず、正しい道を歩むことが大切です。正義を貫こうとすると、時には悪と戦う事が必要になります。ここでも大切なことがあります。悪と戦う武器は、あくまでも愛だということです。惜しみと暴力で戦うのではなく、愛をもって悪をただすのです。やはり、私達の生き方で最も大切なのは、愛なのです。

 コロサイの信徒への手紙は、伝道者パウロが教会の信徒に宛てた手紙の一つです。身の周りにある様々な宗教の教えに混乱している信徒達に、最も大切なものは愛なんで、ということを教えています。今月の主題聖句の前後には、大変興味深い記述があります。前には「互いに忍び会い・・・赦し合いなさい。」後には、「キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。」とあります。愛を中心に、赦しと平和があるのです。赦すことで愛を確認し、愛によって平和が作り出される、と私達に教えているようです。

 世の中には様々な力があります。お金や暴力は、とても大きな力を持っているように感じます。けれども、本当は、最も力を持っているのが愛なのです。私達は、お金で買えないもの、暴力で作り出せないものを、愛によって得ることができます。人を大切にし、赦し、共に歩んでゆく愛、これこそ一番大事な道です。