8月:必要なことはただ一つだけである。(ルカによる福音書10:42)

 私達の生活には、大切なことが幾つもあります。「あれも大事、これも大事」です。けれども、いざというときには、一番大切なものが明らかになります。k間から72年前の8月、日本ではみんなの心に、一番大切なものが明らかになりました。それは平和です。戦争によってたくさんの人々が傷つき、亡くなり、たくさんの苦しみを経験し、毎日の食事にも事欠く極めて厳しい生活の中で、何よりも平和が大切だと、みんなが痛感したのです。その後、生活も整い、経済も発展し、再び大切なものが幾つもできてきました。そして今、かつて痛感した一番大切なものが、少し見えにくくなっているようです。今一度、平和の大切さを確認しなければなりません。

 聖書に出てくる人々も、「一番大切なこと」を忘れないようにと努めていました。かつて奴隷として使役され、また荒れ野で苦しい度を続けていたとき、ユダヤの人々には一番大切なことが明らかでした。それは「神様を信じ、神様の言うことをしっかり聞く」でした。神様への信仰を中信に、人々は結束し、困難や苦しみを乗り越えて来たのでした。やがて生活が安定し、経済的に発展すると、大切なものを忘れ、信仰が乱れたのでした。イエス様の弟子達も様々な事に心乱されることがありました。その中で、イエス様の言葉をしっかりと聞く事を、一番大切なこととしたのでした。

 子育てに於いても、「あれも大事、これも大事」です。だからこそ、一番大切なものを忘れないようにしたいと思います。子どもの笑顔、子どもとの会話、子どもの存在そのものが無条件に祝福されていることを一番大切にして、日々の子育ての未知を歩んで行きたいと思います。